鐶付を型に埋め込んだらいよいよ模様の下地と釜の表面となる部分の作業に入ります。
荒引きの段階では50メッシュの砂でしたが、模様を施すにあたって#70→#100と砂のメッシュを細かくしていきます。これには模様関係だけではく、上下鋳型の接点の角をキチっと作るなどの理由もあります。
型に木型をセットしたら鐶付の中に詰め物をして砂が鐶付につかないようにします。乾燥した砂型の上にいきなり砂をかけてもしっかりと接着しないので、水を打ってから埴汁をかけて、#70の砂で引いていきます。
http://www.youtube.com/watch?v=r2Jqivj09EY
#70の砂をかけ終わったら木型に残っている砂を綺麗に取り、#100のすなをかけていきます。
http://www.youtube.com/watch?v=rzhcynUOszk
#100を掛け終ったら次はヘラ押し作業です。
写真では文字になっていますが、模様だと裏表が分かりにくいと思い文字にしました。
鋳造では模様などが鏡写しになるため、デザインした模様、文字などは薄紙に書いて逆さまにして鋳型に貼り付けます。貼り付けた上から文字をなぞる様に押して模様や文字を施していきます。
文字と模様をヘラ押しして反対側に打ち膚を施しました。
これは霰釜の鋳型です。横に入ってるラインは霰を打つときのガイドラインになります。
このヘラで1粒づつ霰を押していきます。
まずは基本となる霰を3粒~5粒程度押します。この時鋳型は柔らかくなっているので際の部分ではなく少し奥に入った4~5段目くらいにします。
ベースの霰が決まったら一気に作業を進めます。右の方にある大きな穴は鐶付が埋まっている部分です。白い所は砂が着いてきそうだったので離型剤(パーチングポーター)を着けて押した部分です。
打ち終わりました。この釜の霰は口元まで行っていませんので1500粒程度ですが総霰の真形釜ですと2500粒くらいにはなります。
この釜は総糸目の車軸釜です。この型は先ほどの映像でも説明しましたが、最後に木型を上げるときに少しでも砂が残っていると糸目模様にキズが付く事になるので非常に神経をつかいます。
上の釜に桐文をヘラ押ししました。
以上7・8の工程でしたが、吹き膚の説明は資料写真不足ですので後程詳しく説明したいと思います。